生前戒名

あるときテレビで瀬戸内寂聴さんが「生前戒名」をもらうことを奨めていた。「戒名」とは亡くなった人のあの世での名前という意味ではなく、むしろ生前に頂くべきものであるというのだ。もらっていない人に仕方なく葬儀のときに授けているに過ぎないらしい。葬儀のときに「買う」イメージがあるが、高い戒名料を遺族に出してもらわなくても自分で生前に頂いておけば安心というわけである。

そこで生前戒名をもらう方法をを調べてみると、大きなお寺の「授戒会(じゅかいえ)」という行事に参加して、過去の罪を懺悔(さんげ)して今後はお釈迦様以来の戒法を守るという誓いを立てると頂けることがわかった。仏の弟子となり、真の仏教徒となった証としての名前が「戒名」とのこと。キリスト教(カトリック)の洗礼を受けた証としての聖名(クリスチャン・ネーム)に近いかもしれない。

わが菩提寺の宗派・曹洞宗の大本山・永平寺では毎年4月23日から29日まで6泊7日間の日程で「高祖大師報恩 大授戒会」が行われ、最終日に曹洞宗で最も偉い永平寺住職の管長大禅師から直直に戒名を授かるらしい。永平寺といえばかのApple創始者・故スティーブ・ジョブズも修行を志したという禅の本場だ。さっそく菩提寺を通じて申し込むことにした。

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