刃物×銃刀法・軽犯罪法

バタフライナイフ

狩猟や有害鳥獣駆除をしていると、どうしても避けて通れないのが刃物の使用である。刃物には2つの法律、4つの犯罪が関係する。
1 刀剣類所持罪(銃刀法第3条違反)
2 模造刀剣類携帯罪(銃刀法第22条の4違反)
3 刃物携帯罪(銃刀法第22条違反)
4 凶器隠匿携帯罪(軽犯罪法第1条2号)

1の刀剣類所持罪は、刀剣などの武器の「所持」を禁止するもので、公安委員会の許可(または文化財としての教育委員会の登録)がない限り、正当理由があろうがなかろうが、自宅に置いておくだけで犯罪になる。もともと人畜を殺傷するための武器であり、通常生活で使う必要もないからである。
これに対し、2から4までの各携帯罪は、「携帯」すなわち自宅から外に持ち出したときに初めて問題となるが、いずれも正当理由があれば犯罪にはならない。もともと人畜を殺傷するための武器ではなく、通常生活で使う場面もあるからである。そして、キャンプや調理などに必要な限度で持ち歩くことは正当理由となる。

ところが、実際にキャンプや調理に使うための刃物でも、必要のない場所にうっかり持ち込んだり、車から下し忘れて積みっぱなしにしたりして、職質や検問で検挙される事例が後をたたない。もちろん狩猟や有害鳥獣駆除も正当理由となるが、その活動中ではないのに刃物を持ち歩いていれば検挙されても文句は言えないのは同じである。

たとえ人を脅すつもりはなくても、一般大衆(社会)の側から見れば不安や危険を感じる状況で刃物を外に持ち出していた以上、言い逃れはできないのだ。刃物など凶器になり得るものについては、こちら側の都合ではなく、あくまで相手側の目線で判断されることを肝に銘じておこう。

次回以降、この4つの罪の違いについて解説し、気を付けるべきポイントを整理する。

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