イノシシ×解体

切り分けたロース肉(2Kg)

約束の朝7時にS君が来た。すでに日は高い。自宅の解体場は東向きなので、夏の太陽がガンガン照り付ける。途中、熱中症になりそうなくらい、直射日光が暑くてキツかった。いい状態で食肉にするためにも、とにかく早く作業を終えなければならない。イノシシの解体は4月いらい4か月ぶりだ。回数だけはすでに4回目なので、解体手順は慣れているのだが、夏のイノシシの解体は初めてだ。こんなに暑い時期に止め刺しから一晩おいて、肉が悪くならないのか心配だったが、毛皮と脂が断熱材の役割をしているようで、解体してみると冬のイノシシと同じ、いい色だ。肉質が悪くなるケースは、むしろ暴れまわったイノシシ自身の体温で肉がふやけたりして内側からダメになることが多いようだ。この点は、できるだけおとなしい状態で止め刺しし、できるだけ早くハラを出して、丸ごと水につけて冷やすことで防止できる。

イノシシからは体重の約半分の肉がとれるという。廃棄率50%だ。見た目で約50Kgのメスイノシシだったので、25キロ分の肉を取り分けた計算だ。さっそく小分けにして、ハコ罠の見回り代行をして頂いているTさん宅におすそ分けに行く。実際はおすそではなく、わずか2本しかとれない内ロース(ヒレ)だ。本来は仕留めた猟師の特権といわれる希少部位だ。5月いらいの毎日のご苦労に対し、ようやく御礼をすることができたのだった。

Follow me!