ククリ罠の危険性

爪の皮一枚

写真をご覧頂きたい。よく外れずに済んだと思う。昨日ククリ罠で捕獲したイノシシの右足だ。爪先一寸にしかかかっていない。本来、もう10センチほど上の足首にかかるのが理想だ。これで暴れまわられると、いずれすっぽ抜けたり、ワイヤーが切れたり、爪がちぎれたりする危険性が大だ。

イノシシは、人を見ると最初は逃げようとする。けれど、逃げられないとわかると今後は人をめがけて突進してくる。まるで関ケ原の島津敵中突破だ。猪突猛進とはよく言ったものである。

止め刺しするために近づいたときも同じだ。最初は逃げようとするがワイヤーで足をくくられているので逃げられない。すると今度はこちらに向かってくる。何度も何度も向かってくる。その度にワイヤーが伸びきっては勢いそがれて転げまわるのだが、その瞬間もし外れたらどうなるか。

噛まれることもあるし、もっと恐ろしいのは股間に潜り込まれ、鼻先で突き上げられることである。このとき牙があったら・・・そう、内ももの付け根の大動脈裂傷は避けられない。イノシシにやられた猟師が出血多量で、現場で亡くなるという事件が現実に起きている。

このことから、ククリ罠にかかったイノシシに対峙するには、次のことを実践したい(止め刺しに銃が使えない場合)。
1 当然のことだが、法令に適合した頑丈なククリ罠を作る。
2 できるだけ2人以上で止め刺しに行く。
3 やりだけでなく、盾になるものを持って行く。
4 できればグローブなど噛まれても平気なものを手にはめる。
5 谷側からではなく山側から近づく。
6 まず最初に足へのワイヤーのかかり具合を確認する。
7 牙があるかどうかを確認する。
8 イノシシには正対せず、斜に構える。
9 1人が盾を持ってイノシシの注意を引き、その間にもう一人がやりで刺す。
 

Follow me!