ネットランチャー

投網

ネットランチャーや投網を使うのは自由猟法にあたるか。
ネットランチャーは、懐中電灯型の本体に仕込まれたネットを火薬の爆発力で拡げながら発射して絡めとる防犯グッズである。射程が3m前後と短い上、使い切りで1本3万円前後と高すぎるのでコスパは悪いが、動物保護団体が傷病野犬の保護などに使用している例もあり、猟具としては一応機能すると思われる。

自由猟法にあたれば、狩猟免許も行政庁の許可もなしに、狩猟鳥獣の捕獲又は殺傷が可能となる。  

まず、網の定義が問題となる。一般的に、「網」とは糸・縄・針金などを方形・ひし形に目を透かして編んで魚や鳥などを捕らえる道具などに用いるもの、とされている(大辞林)。鳥獣保護管理法の解説でも、絹・木綿・麻その他の動植物性繊維または化学繊維の糸などで編まれ、鳥獣捕獲の目的で地上または空間に張ったり、もしくは鳥獣にかぶせ、鳥獣をすくうことができるように作られたものをいう、とされている(環境省)。従って、いずれの定義でもネットランチャーや投網は「網」にあたる。

次に、網という法定猟法で使用される法定猟具は、むそう網・はり網・つき網・なげ網の4つである。鳥獣保護管理法の解説では、このうち「つき網」とは手で携行して鳥獣に接近し突き出してかぶせることができるよう作られた網をいう(環境省)。ネットランチャーは手で突き出すわけではないのであたらないと思われる。また、このうち「なげ網」とは飛んでくる鳥獣に投げ上げて捕らえる網をいう(環境省)。この使い方をすれば投網は「なげ網」にあたり得るが、地面や水面にいる鳥獣にかぶせる場合はあたらないと思われる。従って、法定猟具を使わないのであるから法定猟法にはあたらない。

更に、禁止猟法にも危険猟法にもあたらないなら、自由猟法として無免許・無許可で狩猟鳥獣を捕獲できることになる。網についての禁止猟法は地上・空間に張る「はり網」についてだけなので、ネットランチャーや投網はあたらない。人の生命・身体に重大な危害を及ぼすおそれがある「わな」は危険猟法にあたるが、「網」についての危険猟法の規定はない。従って、ネットランチャーや投網を「わな」として使用するのでない限り、危険猟法にもあたらないと思われる。

但し、「狩猟」でできないことは自由猟法でもできないから、狩猟可能期間・狩猟可能区域において、定量などの規制を遵守して行うことが条件となる。従って、原則として11月15日から2月15日までしかできないし、鳥獣保護区や休猟区でもできない。もっとも、定量に達するまでネットランチャーを繰り返し使用することは費用の関係で事実上不可能であろう。まさに一発百中で一網打尽にするしかない。

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