ククリ罠×イノシシ第14号

何と鼻とり!

見つけたとき、一瞬クマかと思った。いや、千葉にクマはいないはずだ。それにしてもデカい。というより太い。隣の杉の木と比較すればわかるが、まるで丸太のようだ。まるまると太ったメス、100キロ近いと思われる。これまでの最重量級だ。
ここも昨日のイノシシと同様、1か月前にM君が選んだ獣道にかけておいたククリ罠だ。M君、なかなかやるじゃないかと思いながら近づいて、突然、足が止まった。私の足は止まったが、イノシシの脚が止まっていないのだ!なんと鼻にククリ罠がかかっているではないか。脚より先に鼻でククリ輪に突っ込んだようだ。ということは、イノシシの脚は4本とも自由だ。しかも悪いことに、かかって間がないらしく、ほとんど周りの木にからまっていない。つまり、このイノシシは全力で突っ込んでくることが可能な状態なのだ。これは危険!あと数日でイノシシ年を迎える前に、鼻のククリ部が抜けたら、こちらが終わりだ。

とりあえず、M君とT先生に来てもらい、作戦会議をする。太い網を投げ入れて脚を止めようとするが、うまくいかない。ゴルフクラブ(ウッド)で頭部を殴打して失神させようとするが、クラブの方が壊れた。意を決し、いつもの2倍の長さがある長やり(先端は剪定ばさみを加工したもの)で、一気に止め刺しにかかる。うまくイノシシの頚部に貫通したが、やりの先端をへし折られた。こんなことは初めてだ。予備のやり(先端は柳葉包丁を加工したもの)で2の矢を放つが、これも柄ごと曲げられた。あとは失血を待つしかない。

約40分後、ようやくおとなしくなったが、それでも近づこうとすると、何度も立ち上がり、向かってくる。まさに猪突猛進、まるで戦国関ケ原の薩摩島津の敵陣突破退却のようだ。さらに約20分後、ようやく立てなくなったが、まだ油断できない。窮イノシシが最後の最後の力で人間に一矢を報いることがよくあるからだ。約20分後、イノシシは肉の塊となり、3人がかりで運び出され、ようやくの思いで軽トラに載せられたのであった。

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