野生鳥獣の飼育等

適法に捕獲したウリ坊といえども飼育まで適法とは限らない

密猟や密輸など違法に入手した野生鳥獣を、飼育したり、販売したり、他人に譲渡したり、他人から譲り受けたり、はく製や羽毛製品、毛皮、食料品に加工したりすることは、鳥獣保護管理法で禁止されている(第27条)。つまり、違法に入手した野生鳥獣のやりとりは、生きていようが死んでいようが、たとえ無償であっても一切認められない。常識で考えればわかることだ。違法な密猟や密輸を助長することになるからである。

では、適法に捕獲した野生鳥獣についてはどうなのだろうか。特定生物法では、生きている特定外来生物を飼育、保管、運搬、放出することが原則禁止されているので、特定外来生物に指定されているキョンやアライグマを生きたまま持ち帰ったり飼育したりできないのは明らかだ。

では、特定外来生物ではないシカやイノシシについてはどうか。結論からいえば、「狩猟」により適法に捕獲された「狩猟鳥獣」であれば、死んだあとの肉や皮の利用はもちろん、生きたままの飼育や販売、譲渡なども可能である。例えば、狩猟で適法に生け捕りにしたイノシシを殺さずそのまま飼育することは、禁止する法律がないため可能とされている。狩猟は趣味の世界なので、適法に捕獲した以上は生殺与奪は自由、というわけだ。

たまにイノシシを飼っている人がいるのはそのためだ。但し、狩猟で適法に捕獲されたことが大前提なので、狩猟期間中に狩猟可能区域で、登録狩猟か、敷地内狩猟により罠か網を使うか、または素手などの自由猟法によりウリ坊を捕まえる以外にない。もっとも、まさにイノシシの繁殖中である狩猟期間(概ね11月15日~2月15日)中にウリ坊に遭遇することはほとんどないから、実際にはイノシシを適法に飼うことはかなりハードルが高いといわざるを得ない。

では、「有害鳥獣駆除」により適法に捕獲されたシカやイノシシについてはどうか。結論からいえば、殺処分したあとの肉や皮の利用は問題ないが、生きたままの飼育等は不可だ。その理由は「有害鳥獣駆除」の許可目的に反するからである。許可目的は「管理(被害防止)」であり、速やかに殺処分することが当然に許可条件に含まれているのだ。こちらは公的ボランティアの世界であり、趣味の世界とは違うことに注意が必要だ。もっとも、殺処分が前提の一時的保管は、飼育等にはあたらない。千葉県の自然保護課にも問い合わせて確認したが、土日で焼却場が開いていない等のやむを得ない理由で生きたまま持ち帰って一時的に保管することは問題ない、とのことであった。

狩猟により適法に捕獲した非特定外来生物は飼育等可能、有害鳥獣駆除により捕獲した場合は適法に捕獲しても飼育等は不可、と覚えておこう。では、有害鳥獣駆除以外の許可捕獲(殺処分が許可条件に含まれていない)の場合はどうか。シカやイノシシなど狩猟鳥獣については飼育等可能で、それ以外については都道府県知事の飼養登録を受けない限り飼育等不可と読める(鳥獣保護管理法第19条)。

ちなみに、野生鳥獣といえども一旦ペットとして飼育してしまうと、動物愛護管理法にいう「愛護動物」ということになり、その後みだりに殺傷すると動物愛護管理法違反に問われかねないので、太らせてから食べようなどと考えるのは注意が必要である。

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