危険猟法

据え銃

これまで見てきた禁止猟法とは別に、「危険猟法」と呼ばれる猟法がある(第36条)。禁止猟法も危険猟法も、原則として禁止されているという意味では同じだが、禁止する目的が違うのだ。
禁止猟法が「鳥獣保護」を目的としているのに対し、危険猟法は「人への危害防止」を目的としている。そのため、鳥獣保護管理法でも、禁止猟法は「鳥獣保護管理」の方に、危険猟法は「狩猟の適正化(危険の予防)」の方に定められているのだ。
この二つを区別する実益は、有害鳥獣駆除などの許可捕獲において、禁止猟法は適用除外であるが危険猟法は適用され得ることにある。

環境省は、次の猟法を危険猟法として禁止している。すなわち、環境大臣の許可がない限り違法となる。
1 爆発物、劇薬、毒薬を使用する猟法
2 据銃、陥穽を使用する猟法
3 その他人の生命又は身体に重大な危害を及ぼすおそれがあるわなを使用する猟法

1の爆発物や毒劇物はもともと危険物であり、他の法令で厳しく取り締られている。火薬を使ったり毒ダンゴをまくなどだ。
2の据銃は「キョジュウ」と読むと小銃射撃のとき目標をねらうために銃床を肩につけて構えることをいうが、ここでは「スエジュウ」と読み、獣類の通り道等に銃を据え置き、イノシシ等が一定の装置に接触した場合に、銃の引き金が引かれ、弾丸が命中するようになっているものである。矢口高雄作・マタギでは「アマッポ」として登場する。銃を「わな」として使うこととなる。また、陥穽(カンセイ)とは落とし穴のことである。いずれも山野を歩いている人に誤って危害を与えるおそれが高いことは明らかであろう。
3の「 人の生命又は身体に重大な危害を及ぼすおそれがあるわな」 とは、①人が自力で脱却できないもの、②日常業務に支障を来す程度の負傷を与えるもの、③大型獣の獣体の全部又は一部を吊り上げるもの、をいう。イノシシが宙づりになるような強力なククリ罠などだ。人でもそうなる危険があるため、禁止されている。

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